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2006年09月15日

予感:夫1

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「ねえ、ステキだと思わない。」

すべては、せつさんのこの一言からはじまったのです。

当時、川崎の自宅の20坪ほどの庭には、せつさんが植えた、

いいえ正しく言うとせつさんに命令されて僕が植えたオールドローズたちが

ところ狭しと100本くらいは植わっていたでしょうか。



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それは7年前の蒸し暑い夏の午後のことでした。

ずーっとテラスから庭を見下ろしていたせつさんは、

とつぜん振り返り、目をクリックリッ輝かせて、

冒頭の発言になったのです。

こういうときのせつさんは、おっかないです。

少しでも反論めいたことを言うと、室温が5度は下がります。

僕は心の動揺を見透かされないように注意深く、言葉を選びました。



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「えっ、どうしたの・・・」

せつさんは続けます。

「5000坪の土地に3000本のバラが、満開に咲いているの。」

もうだめです。こうなると、誰も止められません。

せつさんは、もうこの川崎の自宅にいません。

すでにせつさんが心の中で描いてる、

その5000坪のどこかの土地に行ってしまっています。

そういえば、ここのところせつさんは、庭を眺めてはため息をついて
いました。

「香水ビンをぶちまけたような、

むせ返るくらいのバラの香りに包まれるの。」

僕の背中は夏だというのに、冷や汗でじっとりと湿っていました。

この後の展開が手に取るようにわかるからです。



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----------つづく----------


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posted by せつ at 21:30 | 千葉 ☁ | 日記




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