冬の間に家も着工し、3月には新しい家に住めるね、
とせつさんとそれだけを心の支えにして、
毎週末、二人でハニワになりながら、
バッコン(しの竹の根っこをとる)作業を続けました。
その頃のふたりの唯一の楽しみは、
一日の作業が終わって泥だらけの体をひきずって、
山のふもとにあるスーパー銭湯に入ることでした。
お風呂ってこんなに気持ちのいいものだったんですね。
でも服を脱ぐとき、大量の泥もいっしょに落ちるので、
脱衣場でまわりのお客さまが
白い目で離れていくことがちょっと傷つきました。(T-T)
長いような短い冬もようやく終わりを告げるあたたかい日が訪れる頃、
楽しみにしていた家が・・・ぜんぜんできていません。(T-T)
せつさんと春になったらこの生活ともいよいよお別れね、
と話していたのですが、お別れどころか、
もしかして一生この生活じゃないかしらん、
というほど、工事は進んでいませんでした。
川崎の自宅を出て行く日はもう決まっていて、
不動産屋さんに泣いて頼みましたが、結局だめでした。
「どうしよう、私たちだけだったらこの小屋で住んでもいいけど、お母さんもいるしね。」
せつさんも途方にくれています。
と、話していたせつさんが急に目をクリックリッして
「そうだ、いい手があるよ。藤原紀香さんに相談しよう。」と、
わけのわからないことをいいます。
あのタレントの藤原紀香さん???
さっそく、クルマにのって、
駅前にある藤原紀香さんの等身大ポスターのあるお店に連れて行かれました。
「そうか、レオパレスねえ。」と、僕。
せつさんの発案で、ウィークリーマンションで仮住まいということに、
急遽、決まりました。
何件も物件を見ましたが、
マンションというよりはどうみてもアパートというものしかなく、
その中でも日当たりのいい、高台の物件に決めました。
でも問題は巨大ネコのもいちゃんでした。
当然、ペット禁止ですからね・・・。
----------つづく----------
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