2006年10月20日

秘密兵器:夫-3

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2003年の夏は、僕たちにとって忘れられない夏になりました。

毎週末、山の中にテントを張っての泊りがけの開墾は、

25年前、急に長い旅がしたくなり、東京を後にしてせつさんと二人、

二台のオートバイで北海道を一周した夏以来の、

ドラマチックな出来事でした。

「どうして、テントの写真撮っておかなかったのー!」と、

せつさんは僕に言いますが、

20代半ばのあの北海道の写真だって一枚もありません。

当時、カメラなんか持ってなかったですから。(^^)

でも、いまでも心の中に1シーン1シーンが鮮やかに焼き付いています



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週末の山の生活は、ほんとうにたいへんで、

炎天下の下で、一日中刈り払い機で草刈をしていると、

「いったい僕は何をやっているのだろうか。生きるとは・・?。」

という、柄にもなくとても哲学的な気持ちになったものです。(*^^*)

そんなある日、強力な助っ人があらわれたのです。

僕たちの週末の労働を見かねて、ユンボを貸してくれた農耕機具会社の人が、

こんどは自走式の、巨大な(!)草刈機を貸してくれたのです。

さっそく僕たちは「草刈君」と名づけて、

広大な雑草を刈り取っていったのです。

その力は絶大で、今までの10倍くらいのスピードで

どんどん雑草をなぎ倒しては、こなごなにしてくれます。

ものすごいパワーなので、それが逆に災いして、

巨大な穴に落ちて身動きできなくなったり、

それはもう荒馬を扱うようでした。(-_-)



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でも夏が終わる頃には、すっかり平らになった土地に沈む夕陽を眺めては、

二人してほのぼのとした達成感を味わったものでした。

「ここを、ドリーミング・プレイスという名前にしようと思うの。」

せつさんが夕陽を眺めながら言いました。

夢見る場所か、としみじみしていた僕は、

その後、このロマンチックな名前とはまったく正反対の、

もっと激しく過酷な日々が訪れることを

このときはまだ知りませんでした。(T−T)



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----------つづく----------



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posted by せつ at 22:09 | 千葉 ☁ | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月06日

テント暮らし:せつ-3

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過酷な夏が始まりました。

週末はここまでくるのが大変なので、キャンプ生活をすることに。

金曜日の夜にやってきて、土曜日と日曜日は力いっぱい開墾して、

月曜日の朝に会社に出勤するという生活です。

テントをはって、夜になると汗を流しにふもとのお風呂屋さんへ。

刈った草を燃やしているところで、お芋を焼いたり・・♪

最初の夜は、わぁ〜!お星様がきれいねぇ〜。と、

大きな夜空を見上げてうっとり。くたくたなので、毎晩早く休みます。

「ゴゴォ〜!!」というすごい音に、はっと目が覚めました。

隣のベッドの(キャンプ用折りたたみベッドT−T)夫も飛び起きて。

天井の屋根の上から大音響がー! 

2人でぽかんと、天井を見上げてすっかり目が覚めてしまいました。

しばらくすると大きな音は遠ざかりましたが、

また5分〜10分すると「ゴゴォ〜!!」。

夜中まで大音響は、ひっきりなしに続きました・・・。



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翌朝は、2人共すっかりしょんぼり・・・。

「もしかしてここは、飛行機の飛行ルートのど真ん中?」。

羽田に向かう飛行機や、出発する飛行機の銀座かも・・・。

もう土地の購入手続きはしてしまったし、後戻りはできません。

早まったかも・・・と、すっかり暗くなってしまいました。

(今では飛行ルートが変わってとっても静かに!*^^*)

朝、太陽が昇ると背たけ以上の雑草王国の草刈続行!です。

初めて持った「草刈り機」を、もうぶんぶん回しです♪

刈っても刈っても果てしなく、真夏の太陽の下の作業はハードですね。

人生ではじめて、お昼ご飯と夕ご飯が食べられなくなり・・(T−T)

(うれしいような、悲しいような・・・。)



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何を始めたんだろう・・と村のかたも、

顔を見せてくれるようになりました。

食べ物を持ってきてくださる方や、お水を下さる方も。感激です・・。

通りすがりの(!)農耕器具会社の方が親切に大きなユンボを

貸してくださることに!

(そんなんじゃぁ、いつまでたっても終わらないよ!と。すみません・・。)

夫は水を得た魚のように、大きなユンボがすっかりお気に入りに。

ユンボに乗っては、うれしくてうれしくてぐるぐる走り回っています。

(そのあとキャタピラが外れて、泣き顔に・・・T−T)

雑草王国といっても、何人かの王様が君臨していて、

草刈り機の回転チェーンソーの刃も、「カキーン!」と跳ね返します。

腕くらいの太さがあって(いったい何の植物でしょうか・・・?)、

腰を入れて、思いっきり立ち向かわねば!

いつの間にか、あっという間に夕暮れ時に・・。

足元には、これまたものすごーい数の、コオロギたちが。

草を刈っていくと、波のようにピョンピョン出てきます・・びっくりです!

オウムの群れの先頭を行く、ナウシカのよう・・(ナウシカ・・*^^*)

ここは雑草王国でコオロギ王国でもあるんですね。

こんなふうに過酷な、2003年の夏は続きました。



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----------つづく----------

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posted by せつ at 16:59 | 千葉 ☁ | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする